「坐禅」と「座禅」は何が違うのか

坐禅とは?

「坐禅」と「座禅」どう違うの?

今回の記事では、坐禅の心得や仕方を書いていきます。

坐禅

まず、「坐禅」と「座禅」とどちらが正しいのかと言う事からお伝えしていきたいと思います。

そもそも「坐」と「座」には意味が違ってきます。

「坐」は坐るという動作を指していて、「座」は坐る場所を指しています。

一文例をあげると、「ちゃんと座席に坐りなさい」と表記するのが正しいです。

坐禅の心得とは?

お坊さんの坐禅

坐禅の指導書として、道元(どうげん)には「普勧坐禅儀(ふかんざぜんぎ)」・「弁道話(べんどうわ)」、「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」の「坐禅儀(ざぜんぎ)」・「坐禅箴(ざぜんしん)」等があります。

その中の「普勧坐禅儀」では「坐禅は安楽の法門(ほうもん)」と紹介されています。

道元自らも身心脱落(しんじんだつらく)して、真実の仏法に出会え感激からすべての人々に坐禅を勧めようとして、具体的に坐禅の作法や心得を詳しく書かれています。

「弁道話」は坐禅の意義をさらに理論的におしすすめたものであり、「正法眼蔵」の坐禅儀には、重要な坐禅の極意が述べられています。

瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)の「坐禅用心記(ざぜんようじんき)」は「普勧坐禅儀」の趣旨に基づいており、より丁寧にかつ具体的に書かれた指導書です。

ここからは、「坐禅用心記」に書かれている内容に沿って、坐禅の心得を紹介していきます。

調心の方法とは?

まず、坐禅は心を調(ととの)え、身体を調え、呼吸を調えることから始めるとされています。

坐禅に入る前の心構えとして、調心はどのようにするのか?

「坐禅用心記」の調心の法では次のように記されています。

「有(あ)らゆる技芸、術道、医方、占相(せんそう)、皆当(みなまさ)に遠離(おんり)すべし(遠ざけなければいけない)。況(いわ)んや歌舞伎楽(かぶきがく)、諠諍戯論(けんじょうけろん)(論議・争いごと)、名相利養(みょうそうりよう)(名誉・利害)は、悉(ことごと)く之(これ)に近づくべからず」

また、頌詩(じゅじ)(偈(げ)や漢詩)、歌詠(かえい)(和歌や朗詠)の類(るい)は禅機(ぜんき)や志を述べて、心を浄化する作用があるとは言っても、坐禅に入る時は嗜んではいけない。

「文章筆硯(ぶんしょうひっけん)を傍らに置かないということは、坐禅を行う者としての心得である」と教えています。

調身の方法とは?

次に身体を調える、調身とはどのようにするのか?

「坐禅用心記」には食物・衣服・睡眠において、足りないのはよくないと教えています。

「坐禅用心記」の調身の法では次のように記されています。

「美服(びふく)と垢衣(くえ)(汚れた服)は倶(とも)に着用すべからず」と説いています。

これは、贅沢で華美な服は貪(むさぼ)る心を生じて、盗賊が入るかもしれないと、だから着用するなと説いています。

「一切の生物堅物(しょうもつけんもつ)、乃至損物(ないしそんもつ)、不浄食(ふじょうじき)は、皆、之(これ)を食すべからず。」

これは、熱が出たり、腹の具合が悪くなっては、坐禅に差し支えるというもの。

なまものや堅いもの・傷んだもの・不当に得たもの・美食・飽食(ぼうじき)は発病のもととされている。

よって、食事は腹八分目にして、風味がよく邪気を払うもの、山芋・ゴマなどを常に食べると良いと説いています。

調息の方法とは?

物や壁に寄りかかったり、高い所や風が激しく当たる所での坐禅はいけないとされています。

気分が重くなってり、落ち着きがなく神経質になったり、身体が寒気を感じたり熱かったりするのは、息が調わないからです。

「坐禅用心記」の調息の法では次のように記されています。

「暫(しばら)く口を開き張り、長息なれば、則(すなわ)ち長に任かせ、短息なれ 則ち短に任せ、漸々に之を調え稍々として、こえに随って覚触し来る時自然じねんに調適す。」

これは、はじめに口を開いて、息が長く出来るときは長く、短い時は短いときに任せて、次第にこの呼吸に随って仏智に触れる時、おのずと悟りが現成すると説いています。

息が調(ととの)わないと坐禅の最中に奇妙な事が起こると言われている。

仏の姿が見えたり、自分自身の身体の中が見えたり、経典の意味が分かった気になったり、卓見(たっけん)と思える考えが浮かんできたりします。

このような時は、「心を両趺(りょうふ)の上に安んじて坐す。」。

心が沈んでいる時は、「心を髪際眉間(はっさいみけん)に安んず。」。

心が乱れている時は、「心を鼻端丹田(びたんたんでん)〈丹田は臍下一寸五分を謂うなり〉に安んず。」。

平生の坐禅では「心を左掌の中に安んず。」と説いています。

坐禅を行う環境で最適な所とは?

深山幽谷(

坐禅を行うのにどのような所が最適なのか?

坐禅をするのに好ましい場所として、「叢林(そうりん)の中、善知識(ぜんちしき)の処、深山幽谷(しんざんゆうこく)、之に依止すべし。緑水青山(りょくすいせいざん)、是、経行の処、渓辺樹下(けいへんじゅか)、是、澄心の処なり。」

僧堂や高徳の僧がみえる所、緑水青山で経行(きんひん)を行うのが良くて、渓辺樹下は心を澄ませてくれると説いています。

坐禅をする時の坐法とは?

正しい坐法を身につけることが肝心です。

この坐法には結跏趺坐(けっかふざ)と半跏趺坐(はんかふざ)の2種類があります。

まずは、結跏趺坐は先ずは、 普通の胡座(あぐら)の状態から、右の足を左の股の上に置き、左足を右の股の上に置き両方ともかかとが下腹につくくらいに持ってくる事。

微動だにしない一番安定した形で、正四面の三角錐体(すいたい)、つまり ピラミッド型に坐るのが良い。

それには、座布団の上に坐り両膝および尾てい骨から頭のてっぺんまで、上昇する稜線を引くと、そういう形になる。

結跏趺坐の坐形、多くの仏像に見られる坐り方であります。

結跏は、足を組む事で、趺は足の裏を指しています。

一方、半跏趺坐は結跏趺坐に不慣れな人や、筋や骨が痛んで堪えられない人は、この足を半分組む半跏趺坐を組むと良い。

右足を左の股の上に乗せる坐り方を 吉祥坐(きちしょうざ)と言い、左足を右の股に乗せるだけのものを 降魔坐(ごうまざ)と呼んでいます。

結跏趺坐を金剛座といい、吉祥坐を仏の坐法、降魔坐を修行人の坐法言います。

結跏趺坐が出来る人でも、長時間坐っている事は容易な事ではないので、無理をしないで半跏趺坐で坐れば良い。

次に手の組み方ですが、右手の上に左手を置いて、両手の親指は左右くっつけ、親指の先がへそに対するように組みます。

このような手の組み方を法界定印(ほっかいじょういん)と言います。

坐禅する人達

この型が無理な場合は、必ず左手で右手を軽く握って下さい。

どうして、左手を右手で握るのかというと、「左は禅定(ぜんじょう)、右は智慧(ちえ)」という考えで私達のような凡夫(ぼんぶ)の愚痴を禅定で制する形となるからと言われています。

口は引きしめて、いわゆる一文字に結んで鼻で息をして、歯は浮かさずに、舌は上の顎にかけて、口の中に空気をこもらせてはいけないです。

眼は細めてもいけないし、見開いてもいけなくて、半眼といって見開かず細めずに自然に開いて、視線はおよそ1メートル前方で、約45度の角度におとします。

このような姿勢を調える事が出来たら、口を開いて1・2回ほど息を吐きます。

坐っている上体を7・8回ほど左右に大きく揺らして、次に小さく揺らして動きを止めて、どっしりと端坐します。

坐禅が終わりましたら、まず合掌した後に、立ち上がる時には、両手を仰向けにして、上体を左右に小さく揺らして、次に大きく揺らして、口を開き息を吐いて、組んでいた足を解き立ってゆっくり歩きます。

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